2022年8月25日、約10か月におよぶ『松本市・林道よもぎこば線の法面(のりめん)改良工事』が、無事に完了いたしました!
では、この工事と現場について、ご説明いたします。
【施工前の状況】
こちらは、今回改良工事をおこなった法面(施工前)です。
既設のコンクリート吹付が崩れ落ちてしまい、地山が見えてしまっています。
このままにしておくと、雨などで山が弱くなっていき、土砂災害がおきて通行が困難になる恐れがありました。
こちらも上記と同じく施工前の法面ですが、ドローンにて空撮した写真です。
まだ既設のコンクリートが残っている所も大きなひび割れが目立ちます。
この状態だといつコンクリートが崩れ落ちてくるか・・・
とても危険な状態でした。
【取壊し・法面整形】
取壊し作業は危険な為、林道の冬季閉鎖期間に行いました!
法面を補強するため最初に取り掛かるのは、既設のコンクリート吹付の取壊しです。
写真のように法面にくっついている機械は、高所法面掘削機(ロッククライミングマシーン)という特殊な機械です。
高所法面掘削機(ロッククライミングマシーン)とは・・・
名前のとおり高所な法面を掘削する機械で、人力では作業容量が悪い場所や危険が伴う場所など、厳しい環境で役立つ機械です。
一見、重機が法面にくっついているように見えますが、実は重機に命綱のようにワイヤーが繋がれています!
掘削機はラジコン操作が可能なため、崩落が予測される場所での作業では、機械の中は無人の状態です。
安全な場所から作業員・オペレータが操作します。
今回の工事では、既設のコンクリートを壊していたところ、法面の風化が発見されました💦
このままでは危険なため、
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風化している箇所を壊し、法面全体を綺麗に整形します!
さらに
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細かい部分は人力で、整形・清掃を行います!
このような作業を経て、
古くなったコンクリート吹付の取壊しと、法面の整形・清掃が完了しました!
最初と比べると凸凹がなく、危険な場所も取壊し、綺麗な法面になりました!
【法面工】
コンクリートを吹付ける前に、法面に全体にラス網という網目状の亜鉛メッキ鉄線を張ります!
ラス網は、コンクリートの剥落を防ぐために、下地として使用します。
また、最初にラス網を張ることで、法面からの落石や崩壊防止としても役立ちます。
ラス網は、10m2当りに主アンカー(太さ1㎝6mm・長さ40㎝)を3本以上と、
補助アンカー(太さ9mm・長さ20㎝)15本以上を ”全面人力作業” でドリル削孔し、
打ち込まれ固定されています。
ラス網を全面に張り終わったら、次は鉄筋を組立てます!
鉄筋は、縦・横50㎝ピッチで全面に組み立てます。
鉄筋は太さが1㎝3mmで長さが4mほどあり、ロープで斜面上部まで運搬するには重く大変です。
そこで、モノレールで運搬します。
なぜ鉄筋を組み立てるのかというと・・・
吹付けるコンクリートの厚みは20㎝ありますが、鉄筋がコンクリートの中間部にあることで、骨のような役割をし、頑丈な法面が出来上がります!
法面の骨を組み終えたら、次はコンクリートを吹付けます!
現場には、吹き付けるコンクリートを練り混ぜる機械(プラント)を設置してあります。
練り混ぜている材料は、粗骨材・細骨材・セメントです。
法面には骨となる鉄筋を組み立てましたが、吹き付けるコンクリートにも強度を上げるための骨となる砂利と砂を混ぜます!
いよいよ仕上げです。
練り混ぜられたコンクリートは、強力なエアーで法面に吹付けられます!
コンクリートは急斜面に吹付けなければいけないため、
ホースからは、かなりの強さでコンクリートが吹き出ていて作業員さんはとても大変です💦
左側が、工事完了となります。
右側は工事の途中ですが、この写真で比較しても、美しい仕上がりになっていることがお分かりいただけると思います。
さらに以下の写真で、着工前・完成後の違いをご確認ください。
【着工前】
【完成後】
これで皆様に、安全にご通行いただけるようになりました😊
最後になりましたが、工事関係者様および工事にご協力いただきました皆様、皆様のおかげで無事に工事を完了することができました。
本当にありがとうございました!